最近はいろんな会社がデザイナーズ住宅を謳っていて、デザイナーズ住宅と呼びたいがためにいっぱい飾りをつけたりします。しかしそれはむしろ逆で、シンプルが故の機能美こそがデザイナーズ住宅なんですよね。携帯電話のデザインもそうで、表面的な要素を少なくしたのに機能は増えてる、そっちの方が感動するものなんです。
表面的に飾るんじゃなくて本質を磨いていく作業がデザインですから、シンプルに行き着いて当然です。
ただ残念ながら、住宅業界においては未だに付け足しの精神が蔓延しています。住宅のコストはトータルでしか見えないので、廊下にいくら、軒にいくら払ったという認識する機会すらないんです。ひとつひとつに値札でも付いていると施主様自身が買う・買わないの判断ができますが、実際はそうじゃない。
あなたは廊下がいくらかかるかご存知ですか?
1m×1mで15万円かかります。リビング、ダイニング、自室、子供部屋、キッチンなどに意識を取られて廊下の事などほったらかしではないでしょうか?
廊下はサービスではなく、きっちりと見積もり・請求に入っています。つまり、あなたが長い期間をかけて払っていくわけです。廊下が絶対に必要だと頼んだわけでもないのに…。廊下がなければコストカットができることは言うまでもありません。
このように建築費用には様々なカラクリがあります。僕らがやるべき事は、そもそも不要なものを買わなくてもいいようにすること。
それは人として正しい事でもあると思います。
Less is design Inc.
代表取締役
平尾卓